同級生交歓 文藝春秋 掲載記事

東洋英和女学院

成田陽子 (映画ライター[在米])

東京・港区 東洋英和女学院にて(撮影 本社・山元茂樹)
(右から)
  • 映画ライター(在米)
    成田陽子
  • 立教大学特任教授・NHK「ニュースで英会話」監修・講師
    鳥飼玖美子
  • 温泉宿「塚越屋七兵衛」会長
    塚越裕子
  • 北欧絵織物研究所主宰・フースフリーデン経営
    矢吹恵子
  • 社会福祉法人新生会理事
    中村千賀子
  • ホテルオークラ与儀美容室会長
    与儀みどり

「花子とアン」の村岡花子の母校として注目された東洋英和女学院を昭和三十九年に卒業した私たち。「敬神・奉仕」をモットーに、メソジスト派の質素剛健と英語をカナダの婦人宣教師に叩き込まれ、姉妹校の麻布中の男子生徒を意識し、美しい上級生に淡い恋をしたり、幼稚園(共学)に通っていた勘九郎(故中村勘三郎)がパンツ一枚で身体検査を受ける姿を目撃して笑い転げたり、びっしり組み込まれた授業に追われながらも、楽園のように平和な時代だった。

 インターハイのバスケ選手だった与儀は親から受け継いだ皇室御用達の与儀美容室をしっかりと守るどころか益々発展させ、皇室のこの字も言わない律儀なプロ。優等生の中村はお茶の水大で粘菌を研究後、東京医科歯科大で医・歯学の人間教育に携わり、現在もプロフェッショナルの教育研修と社会福祉に励む毎日。矢吹は手先が器用で、色彩感覚にすぐれ、ノルウェー留学後、北欧絵織物の先達としてノルウェー王国より叙勲、織物アーティストとして大活躍中。塚越は伊香保の老舗旅館会長、群馬県女将の会会長。在学中は学生寮に住み、六本木を闊歩した日々が活かされたのか、洗練されたやり手女将として活躍中。鳥飼はAFSで米国留学、アポロ月面着陸などの同時通訳を多く手がけ、立教大学大学院に異文化コミュニケーション学研究科を設立、NHK英会話番組の監修・講師も。成田は英和三代目と言うぐらいが取り柄で、ナイーヴな同級生に異性交際法などを伝授して教師に睨まれたが、米国で映画ライターとして暮らしてはや三十五年。

 定年と言うヴォキャブラリーは我らがクラスメートには通用しない。

成田 陽子

この記事の掲載号

2015年2月新春号
2015年2月新春号
読者投稿 素晴らしき高度成長時代
2015年1月10日 発売 / 定価880円(税込)
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