同級生交歓 文藝春秋 掲載記事

埼玉県立春日部高校

折原一 (推理小説家)

埼玉・春日部市 春日部高校音楽ホールにて(撮影 本社・山元茂樹)
(右から)
  • 元プロ野球選手
    木下富雄
  • 昭和音楽大学教授
    石内聡明
  • 推理小説家
    折原一
  • 一橋大学名誉教授
    浅子和美
  • 元京都女子大学教授
    大野修作
  • アメリカンファミリー生命保険会社社長
    山内裕司

 私たちは一九七〇年に埼玉県立春日部高校を卒業した。県内で四番目にできた男子校で、校訓は質実剛健だが、実際はかなり自由な校風だった。学業以外にスポーツや音楽などのクラブ活動も盛んだった関係で、OBの進路は多彩である。

 その代表的な存在が野球部の木下だろう。東都大学リーグの駒澤大学からドラフト一位で広島東洋カープに入団。古葉監督率いる広島黄金期に山本浩二、衣笠祥雄、高橋慶彦らとともにプレー。引退後はコーチや二軍監督、解説者として活動する。リーグ優勝は六回、日本一は三回経験した。

 高校のブラスバンド出身の石内は東京藝術大学器楽科を卒業後、読売日本交響楽団に入り、首席打楽器奏者をつとめる。読響を定年退職し、今は昭和音楽大学教授。折原は早大在学中、ミステリクラブに所属。JTBに入社し、旅行誌などの編集に携わった後、作家に。現在日本推理作家協会会員。

 もちろん、学者の道に進んだ者もいる。高校でずっとトップの浅子は東京大学経済学部を卒業し、イェール大学大学院に学ぶ。専門はマクロ経済学。横浜国立大学教授、一橋大学経済研究所所長などを経て、四月からは立正大学教授。大野は京都大学中国文学科に進み、鹿児島大学を経て、京都女子大学教授。漢文学、書道学者。現在は近畿漢詩連盟会長として関西を拠点とする。

 山内は埼玉大学理工学部を卒業し、アメリカンファミリー生命保険会社(アフラック)に第一期生として入社した異色の経歴の持ち主。二〇一五年一月、生え抜きとして初めて社長に昇格して話題になった。

 いわゆる超一流校にはありえない、卒業生の「職域」の広さが、わが母校の持ち味であり、自慢とするところである。

折原 一

この記事の掲載号

2015年6月号
2015年6月号
戦後70年を動かした 「政治家の名言」
2015年5月9日 発売 / 定価880円(税込)
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