同級生交歓 文藝春秋 掲載記事

松江市立雑賀小学校

松尾倫男 (山陰中央新報社代表取締役社長)

島根・松江市 雑賀小学校にて(撮影 本社・釜谷洋史)
(右から)
  • ナムコ取締役
    出川敬司
  • UQコミュニケーションズ代表取締役社長
    野坂章雄
  • プランタン銀座代表取締役社長
    笹岡寛
  • 山陰中央新報社代表取締役社長
    松尾倫男

 私たちは昭和三十七年に松江市立雑賀小学校に入学した一年一組のメンバーだ。雑賀小は江戸時代に紀州から来た鉄砲衆に由来する雑賀町に創立(明治六年)された同市最初の小学校。民法起草者の一人・梅謙次郎博士、ロンドン軍縮会議の首席全権・若槻禮次郎首相、弁護士で国際オリンピック委員を務め昭和七年のロス五輪に私費で日本選手団を派遣した岸清一博士らを生んでいる。

 我々のクラスはNHK松江放送局が、新一年生に一年間密着し、成長の軌跡をラジオ放送した「僕も私も一年生」という番組に選ばれたため、とりわけ結束が固い。

 サービス精神旺盛で遊びの中心にいた出川は阪大人間科学部で「遊びと人間」をテーマに学び、ナムコに入社。取締役として国内外のエンターテインメント事業を手掛ける。穏やかで算数が好きだった野坂は東大法学部から旧国際電電に入社。米国と中国の海外トップを務め現在はKDDI執行役員としてモバイルネット事業に取り組む。

 明るく賑やかでクラスのムードメーカーだった笹岡は慶大法学部から三越に入社。営業企画部門が長く、福岡三越店長などを経て、プランタン銀座の社長。好奇心と会話が多かった松尾は早大文学部から地元の山陰中央新報社に入社。島根出身の竹下登元首相時代に東京で竹下番を務め、昨年十二月から社長をしている。

 雑賀町に脈々と伝わる教育や社会貢献に対する先人の強い思いは、小学生のころに教えられた。民法大改正、安全保障法制の運用、二〇二〇年東京五輪を控え、郷土の大先輩には及ばないが、還暦年齢を迎えてますます「三つ子の魂」を感じさせる仲間たちだ。当時のラジオ放送の録音テープを半世紀ぶりに復元し、再び集まって聴くのを楽しみにしている。

松尾 倫男

この記事の掲載号

2015年11月号
2015年11月号
大特集 日本再興の鍵は教育にあり
2015年10月9日 発売 / 定価880円(税込)
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出川 敬司野坂 章雄笹岡 寛松尾 倫男

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