
野田を猛進させる「滅びの美学」
「不退転の決意」を見せる野田首相を仕留めるのは、水面下で蠢く“第三極”。
カット・所ゆきよし
「今求められているのは、僅かな違いを喧伝するのではなく、国民の真の利益と、この国の未来を慮る大きな政治です。重要な課題を先送りしない、決断する政治です」
一月二十四日午後、衆院本会議。野田佳彦が首相になって初の通常国会で、施政方針演説が行われた。所々で声を張り上げる野田。だが野党側からの野次が、それをかき消す。昨年の臨時国会での所信表明演説と比べると、与党・民主党側からの拍手は少なくなっていた。
被災地の方言を使い「がんばっぺ、福島。まげねど、宮城。がんばっぺし、岩手……」と訴える部分は聞かせどころのはずだった。福島県出身の外相・ 玄葉光一郎、宮城県出身の財務相・安住淳、そして岩手県選出の復興相・平野達男から直々に発音指導を受けた。まさに「内閣一体」で取り組んだ演説だった が、議場内の反応は、芳しくなかった。
首相の国会演説は通常、厳重に管理されるが、今回は内容の一部が数日前から自民党関係者などに漏れていた。最近、自民党幹部のところに財務省など の官僚が非公式に接触する機会が増えている。民主党が政権から転落する可能性が高まっているため、官僚たちが保険をかけているのだ。野田演説の管理が甘 かったのも、官僚が「両てんびん」をかけ始めたのと無関係ではないだろう。

















