同級生交歓 文藝春秋 掲載記事

暁星高等学校

藤堂具紀 (東京大学医科学研究所先端がん治療分野教授)

東京・千代田区 暁星高等学校にて(撮影 本社・杉山拓也)
(右から)
  • 防衛省海上幕僚監部指揮通信情報部長 海将補
    大塚海夫
  • 善光寺徳行坊住職
    若麻績敬史
  • 東京大学医学部放射線医学講座准教授
    中川恵一
  • 東京大学医科学研究所先端がん治療分野教授
    藤堂具紀
  • 暁星高等学校教諭
    大江和弘
  • 一橋大学経済研究所教授
    櫻井武司
  • 東京医科大学外科学第一講座主任教授
    池田徳彦
  • 陸上自衛隊東北補給処装備計画部長 一等陸佐
    和田信之

 暁星高等学校は、我々が卒業した昭和54年当時、伝統的な「おぼっちゃん」学校だった。制服はフランス軍服に由来する7つの金ボタン、ウエストを絞りポケットがなく、詰め襟には金モールの校章が入っていてかっこよかった。古くから帰国生に機会を与え、私も中途編入したひとりである。米国から帰って間もない頃、廊下ですれ違った校長に、「ボンジュール」と声をかけられたのには驚いた。品行方正を何より重視する校風の中、受験なぞどこ吹く風とのんびりムードだったが、今の活躍を見ると皆それなりに勉強していたようである。

 小学生から海軍士官になると公言していた大塚は夢を叶え、世界の海へ雄飛する。陸上自衛隊に進んだ和田は、先の震災で隊員10万人の兵站を担い、救援活動を支えた。若麻績(わかおみ)は父を継いで仏教界に入り、震災時には真っ先に被災各地を行脚した。わんぱくだった大江は母校に戻り、生徒思いの教師となった。生徒会長で山岳部員の櫻井は、東大で生物を学んでから長年発展途上国で過ごし、帰国後はアフリカ農村の貧困削減に取り組む。品ある暁星ボーイを絵に描いたような池田は、外科医として腕を磨き、肺がん手術の第一人者となった。卒業式で総代だった中川は、難なく東大理3に進み、放射線治療の権威としてテレビでよく見かける。私は脳腫瘍を専門とする脳神経外科医となり、ハーバード大から東大に戻ってからは、新しいがん治療法の臨床開発を手がけている。先月「最新型ウイルスでがんを滅ぼす」(文春新書)を上梓した。

藤堂 具紀

この記事の掲載号

2012年10月号
2012年10月号
「国会改革」憂国の決起宣言
2012年9月10日 発売 / 定価840円(税込)
関連ワード

大塚 海夫若麻績 敬史中川 恵一藤堂 具紀大江 和弘櫻井 武司池田 徳彦和田 信之

人の新着記事 一覧を見る RSS

登録はこちら

文藝春秋について 毎月10日発売 定価880円(税込)

※発売日・価格は変更の場合があります。