同級生交歓 文藝春秋 掲載記事

慶應高校ラグビー部

伊藤寿邦 (ハンナシグラ(株)代表取締役CEO)

東京・港区 秩父宮ラグビー場にて(撮影 本社・山田真実)
(右から)
  • 関東ラグビーフットボール協会監事
    杉下茂治
  • 旭硝子(株)専務執行役員
    與名本径
  • (株)アイ・ティー・オー代表取締役
    伊藤精邦
  • 参議院議員・元厚生労働副大臣
    武見敬三
  • (株)ファイネット代表取締役専務
    仲小路啓之
  • ハンナシグラ(株)代表取締役CEO
    伊藤寿邦

「悔いなし“粘り”の慶応」

 私達慶應高校ラグビー部の最後の試合は、新聞でこう報じられた。大阪・花園ラグビー場で行われた、全国高校ラグビー大会。いくつもの試合のなかで、特に忘れられないのは、浪商高校戦(一回戦)の逆転勝利である。

 きっかけは自陣インゴール内での敵のトライを防いだ伊藤(寿)のプレーからだった。この時点で残り5分、得点差は9点。キャプテンの伊藤(精)を始め誰もが敗戦を感じていた。しかし敵は焦って反則を犯し、ここぞとばかり與名本の一か八かの勝負、杉下のあっという間の独走トライ。これをきっかけに形勢は逆転。最後の逆転トライは仲小路からのパスを貰った武見であった。この奇跡とも言える逆転勝ちの後も、何試合も逆転勝ちが続いた。準決勝では敗れたものの、冒頭の見出しの通り、「悔いなし“粘り”」の結果だった。

 あれから40年以上が経ち、上場企業の役員、国会議員、自営業、会社員とみな各々の道を歩んでいる。

 一人は旭硝子で南米初の大プロジェクトであるブラジルで、会社設立、工場建設に奔走中。一人は次点落選と言う辛い時期を乗り越えて国政に復帰、ここでも見事に最後の逆転試合を見せてくれた。しかし社会的地位も関係なく、名前で呼び捨てにする関係は、還暦を過ぎた今でも同じ。

 飲み屋での話題は健康や孫の話が多くなったが、秩父宮ラグビー場に来た時だけは、みな血が騒ぎ、話はラグビー一色になる。2019年の日本開催ラグビー・ワールドカップまで皆で健康に過ごし、観戦出来る事を祈願している。

伊藤 寿邦

この記事の掲載号

2013年7月号
2013年7月号
大型特集 父への手紙、母への手紙
2013年6月10日 発売 / 定価840円(税込)
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